真実を追う者の矜持:探偵における「倫理」とは何か
「探偵」と聞くと、ミステリー小説のような華やかな世界や、少し怪しげなイメージを抱く方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実際の探偵業務は非常にデリケートであり、何よりも厳格な「倫理観」が求められる仕事です。
今回のコラムテーマは、探偵の倫理についてです。
1. 法律の遵守(コンプライアンス)
探偵は「探偵業法」という法律に基づき、公安委員会へ届出を行って営業しています。
- 違法な手段の排除
住居侵入、盗聴器の設置、差別につながる身元調査などは一切行いません。 - 契約の透明性
法律で定められた書面の交付を徹底し、不当な追加請求や強引な勧誘を排除します。
「目的のためなら手段を選ばない」という姿勢は、最終的に依頼者様を法的なトラブルに巻き込むリスクを生みます。
「正しいプロセスで得た証拠」こそが、もっとも価値があると信じています。
2. 徹底した秘密保持義務
探偵が扱うのは、人生を左右しかねない極めてプライベートな情報です。
- 情報の管理
調査で得たデータは厳重に管理し、漏洩を防止します。 - 守秘義務の徹底
調査に関わるすべてのスタッフに、業務上知り得た秘密を第三者に漏らさないことを誓約させています。
ご相談いただいた内容そのものが、外部に漏れることは決してありません。
3. 「依頼者の利益」と「社会的責任」のバランス
探偵の仕事は、単に事実を掘り起こすことだけではありません。
例えば、調査の結果が判明した後、その情報をどう扱うか。
その調査が「誰かを不幸にするための悪用」や「犯罪行為」に繋がると判断した場合、あえてお引き受けしないという選択をすることもあります。
探偵の仕事は、依頼者様が「次の一歩」を前向きに踏み出すための判断材料を提供することです。真実を知ることは時に痛みを伴いますが、それが誠実な未来への鍵になると信じています。
探偵という仕事は、依頼者様との「信頼関係」の上にしか成り立ちません。
高い倫理観を持ち、一つひとつの案件に対して真摯に向き合うことが必要です。
フリージャーナリスト・探偵
鶴田泰啓
