🕵️ 探偵になるための資格は必要?知っておきたい探偵業の真実

「探偵になりたい!」と考えたとき、まず思い浮かぶのが「何か特別な資格がいるのだろうか?」ということかもしれません。

テレビや映画の影響で、探偵には特別なスキルやライセンスが必要なイメージがある方もいるでしょう。

この記事では、探偵という職業に就くために必要な「資格」について、探偵業法の観点も踏まえながら詳しく解説します。


1. 結論:探偵になるための「国家資格」はありません

結論からお伝えすると、弁護士や公認会計士のような、探偵として働くことを義務付けられた国家資格は存在しません

探偵の仕事は、特定の学校を卒業したり、特定の試験に合格したりすることで就けるわけではありません。

しかし、「誰でもなれる」というわけではありません。
探偵業を営む上で、必ず守らなければならない法律と、知っておくべき手続きがあります。


2. 探偵業に必要なのは「資格」ではなく「届出」

探偵事務所を開業し、お客様からの依頼を受けて調査を行うには、国家資格ではなく「探偵業の届出」が必要です。

これは、探偵業の適正な運営を規定した「探偵業の業務の適正化に関する法律」(通称:探偵業法)によって定められています。

📜 探偵業法の重要なポイント

  • 届出義務:
    • 探偵業を始めようとする者は、公安委員会(所轄の警察署)を経由して、営業開始の前日までに届出書を提出しなければなりません。
  • 欠格事由:
    • 暴力団員や過去に探偵業法に違反して処分を受けた者など、探偵業を営むことができない人が明確に定められています。
  • 秘密の保持:
    • 探偵は、業務上知り得た個人情報や依頼内容について、厳重な秘密保持義務を負います。

つまり、探偵という職業は、資格の有無よりも、法律を遵守し、適正に業務を遂行できるかが非常に重要視されるということです。


3. 実務で役立つ「民間資格」や「スキル」

国家資格は不要ですが、探偵としてのスキルを証明したり、実務で役立ったりする民間資格や、身につけておくと有利なスキルは存在します。

💡 探偵の仕事に活かせる民間資格・スキル

カテゴリ具体的な資格・スキル役立つ理由
調査・法律知識探偵学校の修了証、個人情報保護士、行政書士(周辺知識)探偵業法や民法など、関連法規の理解は必須。
コミュニケーション傾聴力、心理カウンセラー(資格は必須ではない)依頼者へのヒアリングや心のケア、証言者との交渉に役立つ。
技術・実務車の運転免許(必須)、写真・動画撮影技術、GPS機器の操作尾行や張り込み、証拠収集といった実務に直結する。
語学力外国語能力(英語、中国語など)国際的な案件や、外国籍の方からの依頼に対応できる。


これらの資格やスキルは、依頼者の方に「この事務所は信頼できる」「プロ意識が高い」と感じていただくための付加価値となります。


4. 資格よりも大切な探偵の「資質」

探偵としての成功は、紙切れ一枚の資格よりも、むしろその人の持つ資質に大きく左右されます。

✅ 優秀な探偵に求められる資質

  1. 強い倫理観と責任感:
    • 違法な調査は行わず、依頼者の利益を最優先し、秘密を守り抜く。
  2. 粘り強さと集中力:
    • 長時間の張り込みや尾行に耐え、些細な変化も見逃さない集中力。
  3. 冷静な判断力:
    • 予期せぬ事態が発生した際に、状況を冷静に分析し、最善の行動をとる能力。
  4. 高い危機管理能力:
    • 自身や依頼者の安全を確保し、トラブルを未然に防ぐ能力。


探偵業は、人の人生に関わる重大な秘密を扱う仕事です。
だからこそ、資格の有無に関わらず、誠実さとプロフェッショナリズムが何よりも求められます。


📢 まとめ

探偵になるために必須の「国家資格」はありませんが、探偵業を開始するには公安委員会への届出が必要です。

もし、あなたが探偵事務所を選ぶ立場であれば、「資格があるか」よりも、「法を遵守し、適切な手続きを経て営業しているか」「高い倫理観と実務能力を持っているか」を重視するでしょう。

フリージャーナリスト・探偵
鶴田泰啓